6:カラーブロックのノーカラージャケット

1枚の中にいくつもの切り替えがある実験的な生地を手に入れたので、それを元にデザインを考えた。ある程度使える色は限られていて生地の長さもギリギリ。なので、カラーリングを見比べながらインレイには特に気を使った。カラフルだが実際は2面構成なのでシンプルな縫製で済むという合理的なジャケットである。

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ジャケットの素描

若干オーバーサイズ気味に作ってあり、羽織るだけでインパクトがある。袖はキモノスリーブにした。生地の色合いと相まって和風な感じもする。インナーにダーク系タートルネックを合わせた着こなしがカッコよくオススメ。

ディテールの一覧表

アクセントとしてのポケット

前後にそれぞれ一つずつポケットを配置した。カラー同士のアクセントを意識している。

変わり種ボタン

天然貝をポリエステルで包んだ珍しいタイプのボタンを使った。貝の弱点である「割れやすい」と「色数が少ない」をポリエステルで包むことによりカバーした実用的なデザイン。そして、せっかく色展開が豊富なので全て違う色のボタンを試してみた。

ボタンの色
  • 第1ボタン:ブルー
  • 第2ボタン:ライトグレー
  • 第3ボタン:グリーン
  • 第4ボタン:レッド
  • 第5ボタン:ライトブラウン

サイズは20mm。日本製。鳥足掛け。

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猫の目ボタン

力ボタンは10mmの大きさで、素材は黒蝶貝を使用している。

キャッツアイボタン。これはアメリカでの呼び名で、イギリスではフィッシュアイと言う。どっちでも良いけどね。ただ、見た目のデザインだけでは無く、とても実用的なボタンがこのキャッツアイ(フィッシュアイ)。糸が表面に出ないので擦れにくく長持ちする。というわけで、昔のワーク系の服によく見られるボタンでもある。

個人的に印象に残っているのはLeeの名作Gジャン「101-J」。50年代以降は現在まで、アジャスターボタンにはキャッツアイボタンが用いられている。しかし、よく考えてみれば割れやすい貝ボタンと耐久性のあるキャッツアイという相反する要素の組み合わせは矛盾していて面白い。

まち付きキモノスリーブ

袖はキモノスリーブといって、身頃から袖が続け裁ちになっている。通常のセットインスリーブよりも柔らかい印象になるが、袖の可動域が狭くなりがちでもある。なので、袖下にまちを配することにより腕を上げやすくした。

あえてのオーバーロック

縫い代の処理は全てオーバーロック仕上げで行った。多くの糸を使うことになるが、送り目は一番小さくして縫い目が1本のラインに見えるよう心掛けた。昔は送り目に関して全く気にしていなかったのだが、所有していたディオールオムのデニムの縫い代がその様に処理してあって感銘を受けた。その時以来、オーバーロックの送り目やかがり幅には気を付けている。

また、パイピングとオーバーロックのどちらが良いのか論争があるが、結論から言ってそれは生地次第だ。今回のような柔らかさが特徴の生地の場合は、パイピングをすると生地本来の性質がやや失われる。柔軟性を持たせたいのであれば、オーバーロック一択だろう。

それぞれの特徴
  • パイピング:デザイン性、耐久性あり、手間が掛かる、コストが掛かる
  • オーバーロック:お手軽、柔軟性あり、大量生産向き

フラットなパッチワーク

非常に凝った生地だ。残念ながら82cmの細幅で260cmしか手に入らなかった。なので、裁断は差込みで行った。差込みとは布地を裁断するときに布の無駄をなくすため、型紙を上下関係なく互い違いに入れ込むこと。部分によって織り色が変化していてまるで切替が入っているかのように見える。パッチワークのようにツギハギでできた凹付きもない。

繊維組成
  • ポリエステル55%
  • レーヨン15%
  • シルク14%
  • コットン14%
  • ポリウレタン2%

あまり見た事のない素材の配合ではあるが、抜群のしなやかさとシャンブレーのような光沢感がある。

サイズについて

裄丈79cm
身幅55cm
着丈71cm
袖口幅15cm

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