3:ちょっと汚れてしまったバンドカラーの白シャツ

#1、#2とシャツを作ってきたが、それらに改良を加えた第3のシャツである。いわば、この形態の最終形とでも言えそう。なので、しばらくシャツは作らない予定。細かいディテールの説明は下記の#1に記してあるので見てね。デザイン自体はほとんど同じだけど。

さて、ついに白シャツを作ってみた。正直に言えば白い生地はあんまり得意ではない。なぜなら、少しでも汚れたら目立つからだ。作るときの緊張感が他の生地とはまるで違う。いや、どの生地でも緊張感はあるけれどね。

実は最終的に真っ白なシャツではなく、ちょっと汚れが付いてしまった(ミシンの油)。なので、ちょっと安く販売した。ディテールの説明は特にないので、まずは生地について書いていく。

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ダンヒルの生地

生地はイギリスを代表する高級紳士服ブランドとして知られるダンヒル製のものを使用している。シャツオーダーメイド用の生地で大体1着分の長さのものが丁寧に箱に納められていた。残念ながらその写真を撮り損ねてしまったけれど。

百貨店などで仕立券付きの生地を購入すれば仕立ててもらえる。しかし、その期限が切れた生地はリサイクルストアなどで安く手に入れることができる。そうすることで原材料の仕入れ値を安く抑えることが可能である。実際に私はそのような方法で良質な生地を大量に仕入れている。

この生地のスペック
  • 綿100%
  • スイス製
  • 薄らとボーダーが見える
  • ハリ感あり

シャツの輪郭

白シャツ

ディテールをサラッと

ステッチは一筆書きで

比翼仕立ての前開き

一筆書きを意識してステッチを入れるように心掛けた。返し縫いをするとそれだけ糸の厚みが出てしまうし、裏に飛び出た糸は美しくないからね。切った糸は別の縫い代の中に入れていくのがベストだと思う。

MOP

白蝶貝のボタン

海外ではMOP(Mother of Pearl)とも呼ばれる白蝶貝。ボタン厚1.8mm、鳥足掛け。

バンドカラーかスタンドカラーか

バンドカラー

最近は衿の種類も多く、名称を言われても何を言っているのか分からないことも多々ある。ちょっとでも違えば何でも名前をつけるのが現代のしきたりなので仕方ないがね。そこでバンドカラースタンドカラーの違いを一度おさらいしておこう。

スタンドカラーの一種で、バンド(帯)状の衿のこと。⇨チャイニーズ・カラーなどともいう。

文化出版局編(2013)|『ファッション辞典』|第8版|文化出版局|pp.71-72

つまり、スタンドカラーの大きな括りの中にバンドカラーがあるということだ。もし迷ったらスタンドカラーと言えば恥を恥をかくことはない。あえて分けるとするなら、バンドカラーは細めのスタンドカラーという認識でOK。

厚いボタン、薄いボタン

白シャツのカフス

高級シャツのボタンは分厚い場合が多い。それは見た目に重きを置いている訳だが、ボタンは厚くなればなるほど留めにくくなるものだ。個人的な意見だが、見た目と実用性を天秤に掛けてボタンの厚さを考えると3mm程度がちょうど良いかなと思う(実際に比べてみた結果)。

ということで、このシャツのボタンの厚さは3mmにした。#1、#2と比べると1mm薄いので、より留めやすい実用的なシャツと言える。

汚れちまった袖付けに

シャツの袖底

言うまでもないが、袖は後付けで前振りである。特に細めの袖の場合、これは私の譲れないポイントでもある。ステッチはコバ(布端から1〜2mmのステッチのこと)仕上げにした。ステッチの幅については様々な意見があるが、基本的に細くしている。

残念ながら写真を見て頂けたら分かるとおり、袖にミシンの油が付いてしまった。これをデザインとしてあえて付けたと言えばカッコいいだろうが、生憎そうではない。うーん、どうしたものかな。ミシン自体を変えないとしょうがないかもしれない。

スプリットヨーク×肩線なし

シャツのヨーク

ヨークに見えるが、実は前身頃からの続け裁ちである。前身頃に布目を通しているので、必然的にヨーク部分はバイアスになる。バイアスの方が自然に肩に馴染むような気がしているけどどうでしょう。

あくまでも然りげなく

シャツの脇

生地が白いので構造が分かりやすい。

光が示すもの

光に透かしたシャツ

光に服をかざす事で内部構造がX線を照射したかのように浮かび上がる。剣ボロを折る順番や縫い代幅など、ブランドにより異なるので比べてみると面白い。

サイズについて

肩幅44cm
身幅49cm
着丈79cm
袖丈64cm

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