2.6:大切な裏地のゆとりについて

今回は裏地の処理についての記事である。地味な作業だが、表地との馴染ませ方次第では着にくい服になってしまうので注意深く進めていく。

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表地を支える裏地の処理

まず、表地と裏地は互助の関係にある。裏地があることで着脱が容易になるし、型崩れしにくくなる。もちろん、裏地だけでは服として成り立たない。

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その両者の潤滑油として、今回、腕が試されている。

1. みつ芯には毛芯を

裏地の処理をする前にみつ芯を入れていく。通常であれば、バイアスのスレキにぐしを入れて背中心の縫い代にハ刺しで止めつけていくのだが、今回はちょっと違う。あえて、前芯に使った弾力のある毛芯を流用した。

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毛芯を使うメリット
  • 首回りの安定感が増す
  • ウールとのなじみが良い
  • 型崩れしにくい

一番重さが掛かる場所だからこそ、それを支える骨組みがしっかりしていないとダメだ。

2. ゆとりを大事にしたしつけ止め

次に裏地をしつけ糸で固定していく。裏地は裁断の段階でかなり大きめにカットしたので、本来の適当な分量を割り出すための作業である。しつけ糸は最後の仕上げまで抜かない。しつけをする順番が実は大事で、どのようにして裏地のゆとりを入れていくか考えながら行う。

しつけ止めの順序(例)
  1. ウエストラインに沿ってしつけ
  2. 〃から5cm上に0.5cmのゆとり分を確保
  3. 〃から衿ぐりに向かって斜めじつけ
  4. 〃から5cm下に0.5cmのゆとり分を確保
  5. 〃から裾の6cm手前まで斜めじつけ
  6. 前身頃のしつけから続けて、衿ぐりのした7cmを通るようになだらかにしつけ
  7. 背中下部に裾上げの邪魔にならないよう四角形にしつけ

斜めじつけとは2枚の布がずれないように糸を斜めに渡してかけるしつけで、ある程度広い幅を固定するときに用いる。このときのポイントは引っ張らずに上から軽く抑えるように裏地を扱うことだ。ゆとり分が多いのは別に良いが、足りなくなるのは表地に響くので困る。ここまで終わったら裏返してみて、表地がよれていないか確認。

3. ひたすら裏地をまつる

次は裏地の裁ち端を折り込んで、表地に止めつけていく。集中力が必要な作業だね。裏地を綺麗に真っ直ぐ折るためにはヘラを使うのがコツだ。アイロンだけで折り曲げるとどうしても歪な直線になってしまう。また、裏裾を処理するときはアイロンは掛けない。なぜなら、アイロンをかけると奥まつりがしにくくなるから。ここからは単純な作業で、裏布の出来上り位置に裏布の端を合わせてしつけで止める。その後はひたすら絹ミシン糸で纏る。

裏布をまつる際の注意点
  • 裏裾はゆるく奥まつり(表面に糸が見えない)
  • 最初と最後は出来上りの位置をまつる
  • サイドベンツ持ち出し部分は身頃の表面まで通してまつる

これで全部の裏布の処理が終わったわけではないが、ひとまず落ち着いた。ここまで終わるとほっとする。裏布の裁ち端からほつれた糸は厄介だからね。次回は、肩入れと衿の処理をしていく。

続く。

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