1.1:オーダーメイドパーカーの裁断から完成まで

前回は材料の調達から裁断までをまとめたが、今回は縫製が終わって納品まで完了したのでそれらの反省を含めて振り返っていきたいと思う。

変更点もあるので随時書き留めていく。今思い返せば、パーツごとにブログ記事を更新すればよかったと思う。作らないと分からないような縫製ポイントが結構あったんだが、あらかた忘れてしまった。それはそうと、縫製はイメージした形がどんどんでき上がっていくのが一種のパズルのようで楽しい。それを途中で中断したくない気持ちもあって一気に縫い上げてしまうことが多いような気がする。製作時間は10時間ほど掛かった(大まかな縫製方法のイメージで縫っていくのでたまに行き詰まるが)。

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パーカー作りの概要

縫製の手順
  1. ボリュームのある袖
  2. ギザギザフードの仕立て方
  3. 縫い目線利用の箱ポケット
  4. シンプルなファスナー付け
  5. 楽しい脇入れ
  6. アタッチメントを使った裾リブ付け
  7. フード付けは二度縫う
  8. ニットの袖付けは簡単
  9. 大事な「まとめ」

全体の流れとしては、初めに細かな部品を一つの形にしていくイメージかな。この服の場合はそこまで部品数が多くないのでそうでもないが、パーツ数が多くなればなるほど材料が無くなったり、どう縫うのか忘れてしまったりしやすいので小さい所から片付けていく。

ここで、オーダーメイドの指示を確認しておこう。

オーダーメイドの指示
  • フードのギザギザ9本(デザイン)
  • ギザギザが真後ろに1本くる
  • オープンファスナー
  • 切り替えはダウンのように
  • ポケット深め
  • フードのくりは広め(ボートネック型)
  • フードの紐は太め
  • ポケットは耳の真下に位置
  • 起毛スウェット
  • フードのギザギザは立たせる(硬め)
  • ドロップショルダー
  • ビッグシルエット

クライアントがデザイン画を描いて細かな指示までしてくれていたので作る方としては楽だった。作る上で気をつけたことはサイズ感と裏処理かな。オーダーメイドの最大の利点はやっぱりその人にあった完璧なサイズ感だと思う。また、せっかくオーダーメイドとして作るので工場ではできないような手のかかる仕立て方をあえて選んでいる。

縫製について

1. ボリュームのある袖

まずは袖から縫っていく。デザイン画ではかなりたっぷり目のボリュームがある雰囲気だったのでいせを多めにパターンを作成して縫っていった。可能であればタックやギャザーを入れずに済ませられるかの実験。

縫製する際の注意点
  • 押さえを弱くする
  • ずれないようにサンドペーパーを使う
  • 糸調子は緩くする

特に伸びないように縫製することが重要。結果としてリブを付けたが、やはりタックを入れずにボリュームのある袖口を作るのは難しそうだと思った。布帛のカフスだったらかなりボリュームの出るパターンだが、ニットのリブは伸びるのでいせが解放されてしまったようだ。パターン作成からのやり直し。

リブの縫い代をテープで固定して伸びないようにすることもできるが、そうすればリブの伸縮性自体が失われ本末転倒なのでしない。下記が2度目の袖である。1度目の袖と比べてボリュームを出せたと思う。

タックの分量が多い分、リブの縫い代処理が大変だった。倒す方向を考えて、できるだけ薄くカットしておくと後から楽だね。あと、分かりにくいが袖下縫い目とリブの縫い代はズラしてある。それはフラットシーマではなく2本針4本糸のロックミシンで縫っており、縫い代が必然的に厚みを帯びてくるので可能な限り縫い代を薄くするためだ。厚すぎると片返しし難いし、針が折れることもあるから。

2. ギザギザフードの仕立て方

次はフードを作っていく。立体感を出すためにダーツありの両面仕立てにした。デザインポイントのギザギザもある。前回の記事に書き忘れていたが工具を使って紐を通すためのハトメを開ける。糸で縫う方法もあるが、ニットは伸びるので金具がマスト。

12mmのハトメが手芸屋には売っていなかったのでDIYショップで購入した。テントやビニールハウス用だが、問題なく使用できる。それから、ギザギザが立つように指示されていたので接着芯を貼った。

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ダンレーヌは織りだが伸びるタイプの接着芯。他にも接着芯では編地のアピコでも大丈夫かと思う。困ったらアピコと覚えておけばOK。今回はアピコの手持ちがなかったのでダンレーヌにしただけ。ニットは伸びるのでそれに合わせて接着芯も伸びるタイプが好ましいという訳だね。

作っていて気付いたのだが、1つ1つギザギザを付けるよりも見返しとしてギザギザをつけた方が効率的かつ綺麗に仕上がるのでパターン変更した。厚みがあるニットなので鋭角に返すのは大変。目打ちを駆使して何とか綺麗に返すことができた。よく言われることだが、鋭角は1針真横に縫うことが大事だ。

最後に紐を軽く留めつけていく。そのために見返しは長めに付けた。

3. 縫い目線利用の箱ポケット

前身頃はちょっと変わった形になっている。パーカーにダウンがハイブリッドしたような感じ。そして、その切り替え線を利用して箱ポケットを縫い付けていく。シンサレートという生地を使用したのだが、扱いやすくオススメ。縫製の際は革を縫うように縫い代の部分だけ薄くすれば縫いやすくなる。それをしないと縫い代が分厚すぎて後から支障があるので注意。

縫い代にロックミシンを掛けているが、これは別にかけなくてもOK。私は裁ち端から糸がピロピロするのが苦手なのでそれを防ぐために掛けているだけ。単純に糸の無駄遣いだが、ストレスを感じながら縫製するぐらいならいっそのこと綺麗にするのもアリかと思う。

切り替え線を使った箱ポケットは比較的簡単にできるので試してみる価値があるのではないか。今回は厚手の生地を使っていて、余計な厚みを加えたくなかったので向こう布は省いた。

4. シンプルなファスナー付け

ファスナーは縫い代を折って、上からミシンで叩いた。ririのファスナーを使用したのだが、上の写真のように端の部分がアミアミのコーティングがある。その間を縫っていくことになるのだが、針が引っかからないか心配であった。しかし、それは杞憂で何のストレスもなくスーっと縫うことができた。ちゃんと考えられたアミアミに感動。

5. 楽しい脇入れ

前身頃と後ろ身頃を縫い合わせればもう完成した姿が見えてくる。

  1. ロックミシンで2枚の生地を縫い合わせてから後ろ身頃に片返し縫い
  2. 上からコバステッチをかける

これ脇入れは完了。脇のついでに肩も縫い合わせる。糸の種類や工程が似ていたら同時に済ませると、糸を変える手間が省けるので効率的だ。

6. アタッチメントを使った裾リブ付け

リブ付けは楽しい。リブはロックミシンで縫い付けていくのだが、アタッチメントを変えるとスムーズに綺麗な丸みのあるリブが付けられる。

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衣縫人や糸取物語を使っている人であれば上記のセットがオススメ。裾まつり用押さえセパレート押さえはニットの縫製に必要不可欠かと。なくても縫えないことはないが高度な腕が必要になるし、単純に面倒くさい。

7. フード付けは二度縫う

フードは表を先に縫ってから、裏の縫い代を折ってミシンで叩いた。色々と縫製方法がある中で、この方法が手間は掛かるが最も綺麗に仕上がると思う。

8. ニットの袖付けは簡単

ニットの袖付けは簡単。カーブをロックミシンで縫うのにはコツが入るが、差動送りを上手く使えば綺麗に縫える。

9. 大事な「まとめ」

最後に飛び出た糸を切って、針が残っていないかを確認すれば完成。ニット素材なので最後にアイロンをかけなくてもいいのが楽だ。

あとがき

指示通りに進めていきたが、やはり青写真のようにはいかない。進めていくたびにああすればよかったとか、発見が必ずあるので実際に服を作っていくことでしか服作りは上達しないのだと改めて思った。

とはいえ、せっかくオーダーメイドで注文を頂いているので少しでもおかしい所があれば訂正するのが当然だ。今回も袖やフードなどパターンから書き直してようやくイメージした形ができ上がった。服をお渡しする際は毎回緊張するのだが、とても喜んでもらえて作った甲斐があった。

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