2.5:語らない背中を目指して

今回はサイドベンツの処理をして、脇を縫い合わせるところまで解説していきたいと思う。構造自体はシンプルだがオーソドックスな方法を自分なりにアレンジして製作しているので、ちょっと変わった箇所があるかもしれない。

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ワンピースバックの癖とり

後ろ身頃は通常であれば右後ろ身頃と左後ろ身頃の2枚の生地を縫い合わせるが、今回は1枚(ワンピース)で取ってある。2枚はぎの利点は背中心でダーツをとってウエストを絞れることだが、ストライプやチェック柄の場合はどうしてもズレてしまう。それをギリギリのところで合わせるのが腕の見せどころでもあるけど。今回は特にスリムなシルエットにするわけでもなく、どちらかというとフロントダーツを省いたボックスシルエットである。また、生地が面白いストライプをしているので、後ろ身頃は背中線に潔く真っ直ぐ1本の線が入るようなパターンにした。

癖とりは肩甲骨を包み込むようなイメージで行った。画像を見てもらうと分かると思うが、肩甲骨の張りが出るように背中心側と袖ぐり側から追い込んでいる。ただ、背中心側を追い込みすぎるとダーツがないので変な膨らみができてしまう。袖ぐり側を重点的に行い、背中心の方は気持ち軽めに。最後に生地を広げ、肩甲骨の膨らみは保ちつつ、背中の中央をアイロンで潰して後ろ身頃の癖とりは終了。

そういえばワンピースバックの癖とりで思い出したのだが、文化にいた時の先生が面白い方法でウエストの絞りをとっていた。その方法はハ刺しを利用した方法で、少しずつ生地を寄せていってアイロンで殺していせていく。なので、織りの粗いツイードのような生地でないと上手くいかない、ぶくぶくが浮かんでくる。これは確か、オートクチュールの技法だったと思うが、この技法を用いればダーツが全くないのにウエストが絞れた不思議なジャケットを作ることも夢ではない。かなりの手間がかかることは予想できるが、そのうち作ってみたい。

カメレオンなサイドベンツ

サイドベンツはカメレオンのように後ろ身頃に擬態しているべきだ。そこにあるのだけど、よく見ないと気づかない、決して主張しない。ベンツが開いていると目立つから、あえて重なり分をとった上で形作っていく。今回は写真に撮っていなかったので、そういった見えない部分の工程の説明は省く。

やっぱり、文章だけで技術を説明するのは無理があるな。一番良いのは動画だとここ最近になって思う。とはいえ、自分の中にある言葉にならないイメージを言語化することは脳に刺激になるし、曖昧な水っぽい感覚を強固な固体にする練習になる。話は逸れたが、先に進めていく。

1. 額縁仕立ては邪道か

裾の角の部分は額縁仕立てである。この仕立て方は見た目としてはすっきりしていて綺麗だが、内側の生地を切り落とすため裾が軽くなってしまうというデメリットがある。裾の重さはシルエットを形づくるためには重要な要素だ。例えば、カーテンの裾は10cm程の3つ折りにすることで自然なドレープを生み出している。この前、ホームセンターで見たときはウエイトテープを裾に仕込ませたりと工夫されていた。

そう考えると額縁仕立ては邪道な方法かもしれない、お直しもできないし。ただ、裾が軽くなって浮いてしまうのであれば重りを入れれば問題ないだろう。そこで考え出されたのがこのコインポケット。額縁の持つ端正さとシルエットを出すための重りを共存させたデザインで気に入っている。

2. 癖とりが重要な脇入れ

前身頃と後ろ身頃を縫い合わせることを脇入れと言う。脇をミシンで縫い合わせたら画像にあるようにラバン馬の上で癖とりをしていく。このとき基準にするのは脇側の布目である。布目を真っ直ぐに動かして、後ろ身頃の角をアイロンでいせることにより、緩やかなラインが生まれる。

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画像がこれだけなので、どういう感じで進めたか忘れてしまった。

ちゃんちゃんこ

肩は縫い合わせていないが、人台に掛けてみた。いわゆる「ちゃんちゃんこ」と呼ばれる状態だね。少しだけウエストが絞れつつ、腰を包み込むシルエットでいい感じだと思う。次回は裏地の処理をしていく。

続く。

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