2.2:2面構成ジャケットのサイドダーツ

前回はジャケットの芯を完成させたが、今回から表地だ。通常の仕様とは異なる構成なので、そこも含めて解説していく。

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生地を活かすための2面構成1ダーツ

今回のジャケットは2面構成(前身頃と後ろ身頃)1ダーツであるこれはよく注文服に見られる仕様で昔のジャケットもこの形が多かったと記憶している。確か100年ほど前に細腹はなかったはず。Side body -> サイドボディ -> サイド腹 -> 細腹になったそうだ(服部 晋の「仕立屋日記」より)。テーラリングには、このような適当に決められた洒落た名称がいくつかある。

対して、最近のジャケットによく見られるのは3面構成(前身頃、細腹、後ろ身頃)である。細腹があることにより面で絞れるのでスリムなシルエットを作り出せる。そもそも、昔はルーズなシルエットだったのでそもそも細腹をとる必要がなかった訳だね。近頃はそこまで極端に細いスーツは見なくなったが、それでも細いスーツは人気がある。当然だが、面を増やすほど立体的な服を作ることができる。ただ、これは私の考えだが切り替えの少ないほうが生地本来の風合いや動きを再現できるのではないかと思う。

くせとりが重要

できるだけ1枚の生地で立体を作りだすには必然的にアイロン操作が重要になる。画像には水が入ったボールと刷毛が写っているが、これで生地の布目を変えていく(くせとり)。くせとりは生地の種類にもよるが、刷毛で水を薄く塗り、アイロンで焦がさないように全体重を乗せることを繰り返す大変な作業だ。テーラーの方が5kg〜ぐらいのアイロンを使っているという話をよく聞くけど、それだけ力仕事でもあるということだね。

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ちなみに私の使っているアイロンはこちら。重さはないが半端ないぐらいスチームが出る。文化に居たときは教室にナオモトのゴツいアイロンが置いていたが、個人的にはそれよりも断然使いやすい。オススメ。

フィレンツェ風ダーツ

細腹がない代わりにダーツを袖下から腰にかけて1本入れた。いわゆるフィレンツェスタイルを参考に取り入れたもので、フロントダーツを省略した代わりにウエストのくびれを生みだしている。注意点としては、ダーツが斜めに入っていることで生地が伸びやすい。なので、アイロンを決してずらさずに上から押さえつけるようにクセを取っていく。

ダーツの裏の写真を撮っていなかったのが残念だが、裏にはスレキを一緒に縫い込んでダーツの縫い代の段差が生まれないように工夫している。そして、仕上げはダーツの星止めだ。これが終われば前身頃の処理は終了で、しばらくの間このパーツは寝かせておく。

続く。

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