1.0:オーダーメイドパーカーの裁断まで

現在、オーダーメイドのご依頼をいただきパーカーを製作している。スーツやドレスのオーダーメイドに関して耳にすることは多いが、オーダーメイドのパーカーはあまり聞きなれないかもしれない。依頼者の方と相談しつつ進めており、この記事を書く段階では裁断まで終わった。備忘録的な感じで、作っている最中に感じたメモなどを改めて書き留めていく。もし、服を制作してる方の参考になれば嬉しい。

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パーカーのパターン

でき上がりがどうなるのかイメージして欲しいのであえてデザイン画は載せないことにする。このパターンからどのような服が生まれるのか想像してほしい。パターンに色々と書き込んであるがこれはボツになった製図用紙を流用したものである。紙は安くないので無駄にしないようにしている。自分で分かれば大丈夫なので問題なし。

使用する生地について

使用する生地
  1. 裏起毛ニット(ネイビー)
  2. 裏パイルニット(オレンジ)
  3. 裏パイルニット(ホワイト)
  4. 40 / スパンテレコ(オレンジ)
  5. 30 / スパンテレコ(ネイビー)
  6. 高密度タフタ
  7. 厚地のシンサレート

それぞれの生地について詳しく見ていく。

1. 裏起毛ニット(ネイビー)

生地のスペック
  • 綿100%
  • やや厚~厚(約2.15mm)
  • ソフト・ストレッチ(巾方向)
  • 巾150cm(ダブル幅)

裏起毛された厚地のニット。私の持っているチャンピオンの赤タグよりも分厚い生地でかなりの保温性がありそうだ。意外とスウェット生地を売っているところがなくて探し出すのに苦労した。結果として縫製工場の整理処分品を破格の値段で購入できたので良かった。

2. 裏パイルニット(オレンジ)

生地のスペック
  • 綿100%
  • やや厚~厚(約1.8mm)
  • ソフト・ストレッチ(巾方向)
  • 巾180cm(superワイド幅)

1と同じ業者より購入したものだ。裏起毛されていないが、それでも十分な厚さがある。オレンジの鮮やかさが特徴。

3. 裏パイルニット(ホワイト)

生地のスペック
  • 綿100%
  • 生地幅:170cm巾
  • 厚み:厚肉厚
  • 伸縮性:中低

あまり使わない生地なので必要分だけを楽天で購入した。送料が痛い。

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4. 40 / スパンテレコ(オレンジ)

生地のスペック
  • 綿95%・ポリウレタン5%
  • 40cm輪仕上げ
  • テンション(伸縮性)高
  • 色・シャッペスパン No.315
  • てれこ

袖のリブに使う生地。スパンテレコとはリブ編みの糸を抜いて畦状にしたニット生地のことを指す。20 / 30 / 40と数字が頭につくスパンテレコだが、数字が大きくなるほど薄地になる。パーカー程度だったら生地の厚さにもよるが30から40で十分だと思う。

5. 30 / スパンテレコ(ネイビー)

生地のスペック
  • 綿100%
  • 生地巾:42cm輪
  • 日本製
  • 生地厚:約0.6mm
  • てれこ

こちらは裾に使うリブです。4のスパンテレコとは異なり30コーマにしてみた。違いは一見して分からない。

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6. 高密度タフタ

生地のスペック
  • ポリエステル100%
  • 生地幅:122cm
  • 生地厚:約0.1mm
  • 撥水加工
  • 表面はマット、裏面はシレー加工(光沢)
  • 耐水圧:550mm

ダウンジャケットにも用いられることもある平織りの高密度ポリエステルタフタ。今回はスウェットとダウンのハイブリットっぽい服を作る予定である。また、シレー加工を施すことにより気密性を高め、結果的に生地の光沢を生み出している。

7. 厚地のシンサレート

生地のスペック
  • ポリエステル100%
  • 生地幅:125cm
  • 厚さ:約20mm
  • 重さ:160g/m²

膨らみを持たせるためにシンサレートをチョイスした。初めはダウンで作ってみようと思っていたが、専用の機材が必要なので諦めた。それにしてもシンサレートってすごい素材だ。握るだけで発熱している感じがする。マイクロファイバーの細い繊維が組み合わさり空気をたくさん含むので、とにかく断熱性・保温性に優れているのが特長。ウィンタースポーツウェアによく用いられているのを目にするね。

さて、使用する生地は以上。次に副資材について説明していく。

使用する副資材について

8. ririのオープンファスナー

ファスナーのスペック
  • 品番:2216-73cm(M8)
  • ムシ幅:8mm
  • カラー:ベージュ系
  • 生産国:スイス

今回使用するのはriri製のオープンファスナー。重量感もあり、これからのエイジングが楽しみな一品である。オークションで落札した。

9 ~ 12. 使用する糸について

今回はロックミシンの糸は別として4つの糸を使う。近くに手芸屋が無いくらいの田舎に住んでいるので、イオンで糸を揃えた。意外と品揃えがいいのでいざと言う時には便利よね。

種類/糸の太さ
9. シャッペスパン / #60#272
10. レジロン / #50#9
11. レジロン / #50#62
12. レジロン / #50白#401

普段の縫製にはシャッペスパンや絹糸を使うが、今回はニットなので伸縮性のあるレジロンを使用した。生地に合わせて糸が伸びないと切れてしまうからね。裁ち端が見える箇所に関してはロックミシンを使用する予定。

スウェットの縮絨

写真を撮り忘れたが、縮絨(水通し)もちゃんと行った。洗濯したら縮む可能性のある布地はあらかじめ縮ませておかないといけない。特にスウェットはかなり縮む。縮み率を考慮して大きめに作ることもできるが、小ロットの生産だったら無難に水につける方法がいいと思う。

ニット生地を縮絨させる際の注意点
  • ニット生地はかなり水を吸うので脱水機にかける
  • 干す時に伸びやすいのであらかじめ小分けにしておくと良い
  • 乾きにくいので晴れた日にする

分厚い生地の裁断

厚地の裁断はとても大変だ。間違っても裁断ばさみで2枚いっぺんに切ってはいけない。最悪の場合、はさみの噛み合わせが悪くなるかもしれない。結局、ロータリーカッターで裁断したのだが力が要る。裁断が終わった後はヘトヘトだった。そして忘れてはいけないのがコロコロ。パイル地を裁断すると糸くずが半端なく発生するので裁断を開始する前にコロコロの準備をお忘れなく。

リバースウィーブへのリスペクト

今回はチャンピオンのリバースウィーブを意識した裁断方法をとった。まずリバースウィーブ とは、

1934年誕生以来、スウェットシャツのパイオニアとして広く愛され続けている、Championの不朽の定番。 スウェットが縦方向に縮むのを軽減するために、本来縦に使われている生地を横方向に使用。 この編み生地の縦と横を逆にするという意味から「リバースウィーブ®」と名付けられた。

引用元:championusa.jp

つまり、布地を90°回転させただけである。それだけだが、洗濯した後にその凄さが分かる。洗濯、乾燥後は横に縮むことによりフィット感が向上する。また、縦に縮みにくいので着丈のバランスが崩れることもない。布地は必ずしも縦に通す必要はないということだね。

今回は以上。早速ですが縫製作業に入っていく。

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